Canlibero の選曲で Canlibero のワインを呑もう
Canliberoについて
スペイン東部、バレンシア州の内部の山脈地域にあるバルドーバー村には、1950 年代、土着品種であるメルセゲラを主要品種として、いくつかの協同組合がワイン作りを行っていました。約 30 年前、協同組合がワインの販売に問題を抱え、大企業が参入、葡萄の木ではなく、アーモンドや他の作物が植えられ、それは大きな被害となり、長い間電気や水道も通らない時間が過ぎます。2016 年に、この土地を訪れた当時の共同経営者ニト・アレグレとジョルディ・アルノーは、幾つかまだ生きている畑を発見し、この土地の土壌、標高、気候、土着葡萄など、この環境でのワイン作りの可能性を夢に持ち、高山地での葡萄畑の回復とこの地域でのコミュニティの再建を目的として動き出します。
イタリア、フランス、スペインにて、様々なワイナリーでの経験を得て、2016 年にバルドーバー村に戻り、彼らがまず取り組んだことは、10 年以上使用されていない山小屋の改修を行い、古い葡萄畑を有機栽培に変えることを始め、“バルドーバー923”の歴史がスタートとなります。
“バルドーバー”は村の名前、“923”は標高の高さを表しています。現在、ニトが共同経営者兼ディレクター、そして、フランスやスペインでワイン作りを経験してきたフランシスコ・ボスコが醸造責任者となり、二人が中心となって、ワイナリーを切り盛りしています。
ワイナリーは、星を見る環境に適した場所で、星明かり保護区内にあります。ここは、汚染が殆どなく、空気が非常に純粋に澄んでおり、天体観測や星を楽しむツアーが組まれる場所です。星が近い環境と月のサイクルをワイン作りに反映している為、ワインボトルが空に向かっているロゴを使用しています。また、ワインのエチケットの黒い円形は、望遠鏡を通して、空を見ているイメージのデザインを使用しています。
(インポーター資料より)
ボトルのエチケットのフォントがメタルやロックの片鱗を感じるカンリーベロのワイン。
生産者のエンニオ・ロマーノは、ワイン造りを始める前はグラフィックデザイナーとして活動していましたが、実はバンドマンして音楽活動を行っていた時代もあったそうです。
「音楽はいつも私の人生の一部でした。聴くという意味とミュージシャンとして演奏する両方の意味で、です。そしてこれからもずっと私の人生の一部であり続けるでしょう。
畑や醸造所で仕事をしている時も、いつも音楽を聴きながら働いています。
私に精神的な元気や、インスピレーション、そして自分の仕事をよりよく行うための集中力を与えてくれます。
私はロック、メタル、パンク、ハード・コア、またこれらのジャンルから派生した音楽と共に育ちました。商業的であったり、主流なバンドというよりは、アンダーグラウンドの中の純粋で極限な環境の中からバントを探していました。
ミュージシャンとしては、若い頃はグランジ、メタル、パンクのグループのカバーをしていました。
1997年から2000年は、アルマジロ(Armadillo)という名前のバンドでギターとボーカルをしていました。
The Jon Spencer Blues Explosion、Sugar 、Rage Against the Machineといったバンドにとてもインスピレーションをもらっていました。
2001年から2009年はすでにローマで結成されていたストナー・ロック、ドゥーム・メタルのバンド、Skywiseに加入しました。そこで私は、ギターとモーグを担当し、その後ドラムに転向しました。
このとき私がミュージシャンとして最も積極的に活動していた時期で、3枚のアルバムをリリースし、イタリアや海外のフェスで演奏するツアーも行いました。
2008年にはローマで、私たちの起点となったバンドのひとつであるEntombedのサポートとして演奏したこともあります。」
アルバムをリリースし、フェス出演やツアー経験があるにもかかわらず、バンドを辞め、ワイン造りの道に進んだというエンニオ。
「バンドは2010年に解散し、その後は私はバンドには参加していません。
仕事や家族のことで忙しかったからということと、息の合った関係を築くべきミュージシャンに出会わなかったということが理由です。」
しかし表現することへの情熱を捨て去ったわけではなかったようです。
「私がずっと音楽に注いできた情熱と創造力はワインを作ることに変換してきました。
ワインを作ることと、音楽をすることに大きな違いはないと私は考えています。
どちらも表現の形態であり、芸術の形だからです。
実際には音楽家ではないワイン生産者たちも、いずれかの音楽の様式をもってワインを造っています。」
ワイン造りは、音楽をつくることと共通している ― その理由についてこのように語ってくれました。
「クラシック音楽のように荘厳なワインもあれば、ジャズのように精密でアカデミックなワインもあり、ハード・コアのように並外れていたり極端なワインもあります。
私は、私のワイン醸造法に、私のロックへの情熱を詰め込んだという風に考えるのが好きです。私が五線譜を学ぶこともせずギターやドラムを独学で学んだやり方を、仕事やワインに対しても行っています。つまり一人で習い、エノロゴはつけず、実験し、創造力の流れに身を任せるのです。」